2018年 06月 07日
弟 ~その1~ |
私には3歳年が離れた弟がいます。
小さいときは
二人でよく留守番をしていたのもあり
夜怖いときには一緒に寝たり
学生の時は恋愛相談に乗ったり
大人になっても
時々心の内面の話などをして、
ベッタリした関係ではありませんでしたが
仲は良かったように思います。
ただ、弟は
「怒られない良い子」を生きてきた私とは
全く違うタイプで
幼少期にはよくいたずらをして
先生に叱られたり
警察にも何度もご厄介になったり
(歩道橋からバスに石を投げたりして!)
中学でも素行は決して良い方ではなく
高校も中退してしまいました。
それから弟の人生は山あり谷あり
その間、彼はとても多くのことを考えたようで、
私とも
数年に一度という間隔ではありましたが
定期的に心の奥の思いなどを
話してきました。
時には社会に対する反発の思いだったり
人に対する思いだったり
親に対する共通認識だったり・・・
その度に
弟が自分の人生に激しい感情を伴いながら
真剣に悩んでいる姿と共に
弟の心の純粋性と感受性の高さに触れ
いつも驚いていたものです。
私と話すとはいっても、
ほとんどは相談に乗る訳ではなく
短い時間の中、
ただ話を聞いていたという感じですが、
今考えると私はいつでもとても冷静で
彼の人生に感情移入することは
ほとんどありませんでした。
ある時、弟から
「姉ちゃんはいつも楽しそうだよね」
と言われたのを覚えていますが、
悩む彼の前でも
私は敢えて常にマイペースでいたのでしょう。
今振り返って思うのは
弟の人生が過酷であったとしても
感情的なドラマに一緒に浸らず
ある距離を置くことは
私の「正しさ」の物差しで
弟をジャッジしない
私なりの方法だったのでしょう。
それを発動させて話をしたら
ケンカになってしまうかもと思っていたし
でも一番は・・・
私の「正しさ」の物差しで弟を見たならば
私にとって「正しくないこと」を
沢山やってきた人でもあるわけなので、
「弟をキライになりたくなかった」
のだと・・・
きっとこれが本音だと
今、感じます。
それ程までに私は
「正しく在らねばならない」
と、長い間強く思い
それを守って生きてきたのです。
◆
ノウイングスクール本科の宿題で
「家族にインタビューする」
というものがあります。
幼少期の自分の記憶を
家族の視点から見るというものです。
インタビューは対面で
というルールから
昨日、弟に時間を作ってもらい
我が家に来てもらいました。
(現在、弟も同じ市内に住んでいる)
彼は今、親元から離れ一人暮らしをしています。
長い間続けた警備の仕事をつい最近辞め
新しい介護の仕事をスタートしたばかりです。
インタビューでは
私の小さいときの記憶をきっかけに
弟が幼少期に
私や家族をどう見ていたかが
語られます。
弟より先に、
数日前、両親にもインタビューしていたので
今日私が観察していたのは
家族4人全員の気持ち。
今まで弟と二人で
両親について語ることは何度かありましたが
弟の立場で
姉である私をどう見ていたか
について聞くことはあまりなかったので
新鮮でした。
ほぼ予想通りでしたが、
記憶しているポイントが全然違うのが
とても印象的でした。
そして、インタビューの最中、
私に大きな気付きが起こりました。
前述の通り、
私は
物心ついた幼少期からつい最近まで
(いや、今だって私の中の一部は)
「良い子」
「正しくあること」
を生きることに全精力が注がれていて、
それは、家族をはじめとする周りの人や
周りの社会に受け入れられる為であり
嫌われない為であり、
私の本心でないときも多々ありましたが
いつの頃からか
私は、その私を生きるのに一生懸命で
「本当の私」
をどんどん忘れていきました。
そんな私から見た弟は
時に感情的になって無茶苦茶をやる
ちょっと注意が必要な子でした。
「正しさ」
を最重要事項としていた私には
理解しがたい部分を持っていたのです。
(これは、母にも言えることで
母も当時は感情的でヒステリックな上
行動の予測がつかない理不尽さを持っていたので
弟よりも更に
要チェック人物でした。)
そんな弟に対しての感覚が
今までとは明らかに違うと
インタビューの最中いきなり気付いたのです!
弟が、実は
小さいときから自分の感情に
とても正直で素直であったこと。
心に素直に従った行動を取ったら
社会的に受け入れられなかったというだけ。
もちろん、
弟の愛への欠乏感がその行為を助長したのも
ありますが、
私が長い間警戒していた弟の行動の源こそが
今の私が目指すものだったと気づいたのです。
この気づきは
少し前に母に対して起きたものと
全く同じです。
今まで警戒していた人が
実は
私が目指すものを持っていた人だった。
母と弟の純粋性、素直さ。
私が長い間、
「正しくあるべき」
のメガネでしか見れなかったため
気付けなかった部分に
ようやく気付くことができたのです。
◆
こんな風に、最近
以前は私が「NG」を出していた行為が
実は自分に正直に生きていた結果だと分かり、
しかも、今の私が目指すものだったと知り
以前の認識と全く変わってしまった
ということがよくあります。
だからといって今度は逆に
以前の私の認識がNGになる訳ではなく、
どちらもOK、
両方の視点を得ることが出来た
という感じなのです。
なるほど!
書いていて気づきましたが、
今、私はあらゆることの
「真ん中」
に居ることを目指しています。
いわゆるニュートラルな位置。
二元性の星である地球に於いては
物事には常に2極が存在します。
陰 ⇔ 陽
闇 ⇔ 光
善 ⇔ 悪
などなどです。
そのどちらも認識・体験した時、
両方の視点を得ながら
真ん中、中道に居ることが
出来るようになる
と思っています。
弟に対しても、
2極の視点から捉えることができるようになった
ということなのかもしれません。
私が「正しくあるべき」を緩めたので
私にとって
「正しくなかった弟」
が、
「ありのままの弟」
(ニュートラル)
になった瞬間だったのでしょう。
(言い方(笑) 弟ごめん^^;)
そして、インタビューを終えて、
弟が今の介護の仕事について
私に語り始めました。
私はその話を聞いていて
本当に驚き、感激しました。
ここからが今日のブログの主題なのですが(笑)
長くなったので次回へ続く。
by la-plume444
| 2018-06-07 11:31
| 日々の気付き、つぶやき